7種類あるファクタリング
ファクタリングは企業間の掛け払いによって生じた売掛債権を買取するのが一般的な流れですが、そのほかにも診療報酬債権や家賃収入を買取してくれるサービスがあります。
こうした債権の種類や契約内容、利用目的に応じてファクタリングは次の7種類に分類されています。
- 通常のファクタリング(2社間・3社間)
- 一括ファクタリング
- 報酬債権ファクタリング(診療報酬・介護報酬・調剤報酬)
- クレジット債権ファクタリング
- 保証ファクタリング
- 国際ファクタリング
- 家賃収入ファクタリング
通常のファクタリングと債権報酬ファクタリング、家賃収入ファクタリングの3つは資金調達を目的にしたもの。
その他のファクタリングは、元請側の都合で利用することが多く、ファクタリングならではの保証や付随サービスを目的にした内容が多いです。
7種類のファクタリングの詳細をご覧ください。
売掛債権を買取してもらう一般的なファクタリングです。
売掛サイトで悩む下請事業者側から申し込みするもので、売掛先に知られない2社間ファクタリングと売掛先の同意を得る3社間ファクタリングがあります。
通常のファクタリングは業者の数が多く、銀行系・大企業系と中小規模の民間系で審査や手数料などの利用条件が大きく変わってきます。
一括ファクタリングは売掛金の支払いを行う元請業者側が行うもので、支払金額の通知、期日における支払業務などを一括で代行するものです。
資金調達ではなく業務効率の向上や、支払いに関する雑務をアウトソーシングしてコストカットや効率化を図るためのサービスになります。
元請業者が一括ファクタリングを利用している場合、ファクタリング業者に相談することで掛け払いや手形の割引(前払い)に対応してもらえるメリットがあり、一部では売掛サイトの長い建設業が、手形に変わる決済手段として導入するケースがあります。
- 診療報酬(医療保険)
- 介護報酬(介護保険)
- 調剤報酬(医療封建)
主に上記3点の公的保険の後払い債権を買取するもので、クリニックや介護施設、調剤薬局に限定したファクタリングサービスです。
公的保険は支払いを滞りなく行う可能性が非常に高く、債権の譲渡に関する通知で対応が変わる要素がありません。
確実に3社間の形を取れ、未払いリスクが極めて低いことから、1~5%程度の安い手数料で対応してもらえるメリットがあります。
クレジット債権とはクレジットカード払いをはじめキャッシュレス決済の後払いサービスを導入している企業が活用できるものです。
クレジット債権も3社間の同意を確実に得ることができ、滞りなく支払われる可能性が高いため、報酬債権ファクタリングに近い特性を持ちます。
小売店や通販業者など個人が主な顧客になる業種でも利用できるファクタリングとして需要を高めています。
保証ファクタリングはノンリコース契約を目的に、大企業が信用の低い企業と取引する際に活用されるものです。
新規取引をするにあたって、掛け払いをする取引先が未払いになっても損失および回収による手間を軽減する目的があります。
売掛金を受け取る立場の納入企業で、代金を支払う元請側より立場が強い場合は、売掛金の回収リスク軽減を目的に検討してみてください。
名称の通り、貿易など外国の企業と取引する際に活用するもので、主に資金調達ではなく保証ファクタリングのような未払いリスク回避を目的に活用されています。
売掛先の国に拠点を持ち、現地法人の信用調査をできるノウハウを持っているファクタリング業者を利用することが一般的な活用法です。
日本にある国際ファクタリング会社は、主に海外の事業者を相手に取引しています。
不動産経営している事業者や投資家(大家さん)向けのファクタリングで、将来入ってくる見込みの家賃収入を受け取る権利をファクタリングするサービスです。
不動産業では不動産担保ローンを活用した資金調達が一般的ですが、家賃収入ファクタリングは資金調達までのスピードを求めるシーンで単発利用するケースが多いです。
ファクタリングは借入ではないので融資を受ける際の審査に影響が少なく、家賃収入ファクタリングで資金調達してから不動産担保ローンに組み替える活用法もあります。