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塾の事例で考えるキャッチコピーとターゲットセグメンテーション

古荘です、先日とある方にお誘いいただいて「A4」1枚アンケートの勉強会に参加してきました。

「A4」1枚アンケートの手法自体は非常に良くできたもので私も勉強になったのですが、それが解説されている書籍"「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法―チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!"に面白い事例がありましたのでそれについての考察を今回はしようと思います。

なぜそうなっているかという説明は書籍をご覧いただくとして、ここでは

 

NGキャッチコピー: あっ!楽しいテストってあったんだ!?その答えは○月○日の教室で

OKキャッチコピー: ラスト70日。○○校対策なら、○○専門の進学塾が一番です。

 

とあります。

 

結論から言えば、私はNGとされているこのキャッチコピーでこの塾としては正解なのでは?という気がしています。というのもこの二つ、ターゲットとする相手が全く違うと予想されるからです。

 

前者は「勉強を楽しみたい子供 or 子供に楽しく勉強をしてほしい保護者」、後者は「○○校に受かりたい子供 or 受かってほしい保護者」に向けたメッセージです。

 

この元の(NGの)文を検索すれば出てくるのですが、日能研という最難関中学受験のための塾のチラシにあったものでした。以下、大手中学受験進学塾業界を少し調べてみました。

 

日能研、関西地域では以前は無名でしたがここ20年くらいで実績を拡大させているようです。

http://www.nichinoken.co.jp/

「応援します、輝く目を持つ子どもたち」、先のキャッチコピーは使われていませんが大体のコンセプトに変更はないようです。

 

関西地域で伝統的に勢力の強い競合の塾のサイトを見てみると、このようになっています。

http://www.hamagakuen.co.jp/

学ぶ楽しさを見つけ、とありますが、その先には中学受験のノウハウのお話が来るなど全体的には主として「OKキャッチコピー」型の表現が使われています。

 

実際の授業内容の差は知りませんが、打ち出しているコンセプトの違いは明らかです。他の、関東の競合についてはこのようです。

http://www.sapientica.com/

ムービーは最後、考える眼、感じる心をみつめます、という言葉で締めくくられています。思考力を伸ばすこと、感性に訴えること、を主眼とした構成になっています。

http://www.yotsuyaotsuka.com/

"未来のリーダーを育てること"とトップにあります。

 

それぞれ特徴が見られますが、どちらもOKキャッチコピー型ではありません(合格実績の速報は各塾目立つ箇所でアピールされていますが、今ちょうど季節柄ということもありますし、業態的にはどういうコンセプトでいくにしろアピールするべきところでしょう)。

 

私自身私立中学を受験して卒業しているのですが、中から見ると最難関校の生徒、保護者というのは実は受験・進学自体にはあまり興味が無い人がかなり多いです。特に上位層は勉強が得意だから受験して受かった、好きだから、楽しいから勉強をしているだけ、という雰囲気です。

 

なのでOKキャッチコピー型のマーケティング戦略をとる塾が強かった関西地域で「勉強を楽しみたい子供 or 子供に楽しく勉強をしてほしい保護者」に訴えかける戦略の塾が近年実績を伸ばしている、というのは私としては納得できます。

 

もちろん実際のところは調査してみないとわからないことなのですが、この事例についてこれらを単純に比較をした場合、以下のような可能性が残ってしまいます。

 

NGの方が反応が良かった場合、「勉強を楽しみたい子供 or 子供に楽しく勉強をしてほしい保護者」が多かった。

OKの方が反応が良かった場合、「○○校に受かりたい子供 or 受かってほしい保護者」が多かった。

 

この点についてどう考えるかは、キャッチコピーの良しあしを超えた、どちらの層をターゲットとした塾なのか?というより上位の経営戦略の問題です(フォローしておきますと、「A4」1枚アンケートの手法自体はこの点に関しても判断材料を与えてくれるものになっています)。

 

反対から見ると、サイトに今現に来訪されている方についてどちらが多いのか?という問題について、こういったキャッチコピーの比較テストは示唆を与えてくれます(この考え方については以前の記事"マーケティングとユーザビリティで読み進めるアクセス解析"をご覧ください)。

 

テストパターンを作成する時点でしっかり検討しておくべき内容について考えさせられる事例でした。

 

ご興味あればこちらの記事も合わせてお読みください。

 

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2013.02.18 09:21 | Comments(0) | Trackback(0)

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